かくよく

霍弋

紹先 生没年生没年不詳 所属

南中を鎮め、節を守って降った蜀の南方総督

能力値
統率 C
武力 D
知力 D
計略 D
政治 C
人望 C
関連年表
蜀初期 名将・霍峻の子として生まれる
蜀初期 太子舎人として、皇太子であった劉禅に近侍する
227年頃 諸葛亮の北伐に記室として従う
蜀中期 参軍庲降屯副貳都督を経て、監軍・翊軍将軍となる
蜀後期 南中都督として異民族を鎮め、永昌の反乱を平定して安南将軍に進む
263年 成都の救援を願い出るが、劉禅に許されない
263年 劉禅降伏の報に素服して三日哭し、安否が定まるまで降らず
264年 劉禅の安泰を確かめ、南中の名簿を携えて晋に降る。列侯に封じられる
264年以降 晋のもとで南中都督を続け、交阯方面の平定に功をあげる

略歴

霍弋、字を紹先といい、蜀の名将・霍峻の子である。父の霍峻は、劉備の入蜀に際してわずか数百の兵で葭萌城を一年にわたり守り抜き、劉備をして「霍将軍なくば蜀は得られなかった」と言わしめた人物であった。霍峻が没したとき、劉備はみずから墓所へ赴いて弔い、その夜は宿営したという。 霍弋は太子舎人として、まだ皇太子であった劉禅に近侍した。劉禅が即位すると謁者となり、丞相・諸葛亮の北伐にあたっては記室として従い、諸葛亮の子・諸葛喬と親しく交わっている。のち中庶子・参軍庲降屯副貳都督などを経て、監軍・翊軍将軍として南中の統治にあたった。 南中は異民族が多く治めにくい地であったが、霍弋は恩と威を併せ用いてよくこれを鎮め、永昌郡の反乱も平定して、安南将軍に進んだ。長く辺境を安んじた功は大きい。 炎興元年(263年)、鄧艾が成都に迫ると、霍弋は兵を率いて救援に赴くことを願い出た。だが劉禅は「すでに備えがある」としてこれを許さなかった。やがて成都が落ちて劉禅が降ったと聞くと、霍弋は素服を着て三日のあいだ慟哭した。部下たちが早く降るよう勧めたが、霍弋は退けて言う——「主上の安否がまだ定まらぬのに、どうして軽々しく降れようか。もし魏が主上を礼をもって遇するのであれば、城を挙げて降っても遅くはない。もし主上が危うい目に遭われるのであれば、死をもって戦うまでだ」。 やがて劉禅が洛陽で安泰に遇されていると確かめると、霍弋ははじめて南中の郡県の名簿を携え、礼を尽くして降った。晋はその節度を高く評価し、引き続き南中都督を任せ、列侯に封じている。のち交阯・九真・日南が呉に叛いて晋に付いたときには、これを支援して南方の平定に大きな功をあげた。

逸話

霍弋の父・霍峻は、蜀にとって忘れがたい功臣であった。劉備の入蜀のさなか、わずか数百の兵で葭萌城を守り、一万を号する敵の攻囲を一年にわたって凌ぎきったのである。劉備は「霍将軍がいなければ、蜀は得られなかった」と称え、霍峻が四十歳で世を去ったときには、みずから墓所へ赴いて弔い、その夜はそこに宿営したと伝わる。子の霍弋が辺境を託されたのも、この父の名があってのことであった。 霍弋という人物をもっともよく示すのが、蜀の滅亡に際しての振る舞いである。成都が落ちて劉禅が降ったと聞くと、霍弋は素服をまとい、三日のあいだ慟哭した。部下たちは早く降るよう勧めたが、彼は動かなかった——「主上の安否がまだ定まらぬのに、どうして軽々しく降れようか。もし魏が主上を礼をもって遇するのであれば、城を挙げて降っても遅くはない。もし主上が危うい目に遭われるのであれば、死をもって戦うまでだ」。 そして劉禅が洛陽で安泰に遇されていると確かめてから、はじめて南中の郡県の名簿を携えて降った。降伏という同じ行為でありながら、そこに至る筋道を違えなかったのである。晋がその後も南中を彼に任せ続けたのは、統治の実力に加えて、この節度を見込んでのことであった。 亡国に臨んだ蜀の臣の身の処し方は、さまざまであった。降伏を説いた譙周、綿竹に父子で殉じた諸葛瞻、永安を守り抜いた羅憲——そして霍弋は、主君の安否を見届けるという一線を守ったのである。

評価

霍弋は、辺境の南中を長く安んじた統治の手腕に加え、主家の滅亡に際しても軽挙に走らず、主君の安否を見届けてから降るという、節度をわきまえた振る舞いで知られた。 亡国の臣でありながら、統治者としての実力と誠実さによって新王朝にも重用され、南方経営の要となった。

演義

小説『三国志演義』では大きくは扱われないが、蜀の南方を守る将として名を連ねる。 父・霍峻とともに、蜀を辺境で支える武人の家系として位置づけられている。
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