著者 | 陳寿 裴松之 |
出版元 | 筑摩書房 |
発売日 | 1992年12月 |
フォーマット | 文庫 |
冊数 | 全8巻 |
価格 | 1,575円 |
ISBN-10 | 4480080414 |
ISBN-13 | 978-4480080417 |
正史三国志の決定版として、中国・西晋代の陳寿により、三国時代について書かれた歴史書を唯一の完訳したものである。本冊には「魏書」「蜀書」「呉書」第一~第六を収める。三国の通史でもある帝紀四巻、后妃伝、後漢末の悪将董卓等の伝である。陳寿により西暦280年から290年頃に編纂された。
陳寿は三国志を記述するにあたって信憑性の薄い史料を排除したために、三国志は非常に簡潔な内容になっていた。そこで、南北朝時代の宋の文帝は裴松之に注を作ることを命じ、裴松之は作成した注釈もある。
裴松之の注の特徴は、訓詁の注といわれる言葉の意味や読み、典故などを説明するものが少なく、陳寿の触れなかった異説や詳細な事実関係を収録した点である。陳寿の三国志完成後の出来事も補われている。すでに失われた書物からの引用も多く、貴重な史料である。また、話としては面白いが信憑性に欠ける逸話も数多く収録されており、説話の題材にも取り入れられていった。