著者 | 吉川英治 |
出版元 | 講談社 |
発売日 | 1989年4月 |
フォーマット | 文庫 |
冊数 | 全8巻 |
価格 | 798円 |
公式サイト | 吉川英治記念館 |
ISBN-10 | 4061965336 |
ISBN-13 | 978-4061965331 |
三国志小説で老舗と言えば、吉川英治作「三国志」ではないかと思います。
吉川英治は(1892年8月11日 - 1962年9月7日)神奈川県生まれ。
小説「宮本武蔵」(漫画バガボンドの原作小説)でも有名ではありますが、三国志好きなら必ず吉川英治の作品を目にしていると思います。
この作品は、日本において三国志を流行らせたきっかけになったといっても過言ではありません。また、この時代では三国志演義と正史の区別はなかったので、劉備=英雄、曹操=悪役というものが定着しておりました。
1939年から三国志の連載をスタートしました。初期の小説版では漢文を交えたものもあり大変貴重なものです。
いわゆる『三国志』のルーツは晋の時代に編史官(国の歴史研究員)であった陳寿がプライベートで書いた『魏書』『呉書』『蜀書』(これらはまとめて『三国志』と呼ばれています)です。因みに、この3つの書はあまりにも出来栄えが良かったので、後に正史(王朝の記録として公式に朝廷から認定された歴史書)として認定されています。
その後、『三国志』は大道芸人や芝居小屋の講釈師によって語り継がれ、大衆好みの英雄伝になっていきます。
そして、その大衆好みの英雄伝を元の末~明の初め頃(14C半ば~後半)に羅貫中が正史を基にして再構成し、長編小説『三国志演義』を完成させました。それは陳寿が3つの書を書き上げてから約1100年もの歳月が流れた後のことでした。
この『三国志演義』こそが今私たちの知っているいわゆる『三国志』です。