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呂布が董卓を殺害する

魏伝


曹仁 子孝そうじん しこう

姓名曹仁
子孝
生没年168年 - 223年
所属
能力 統率:  武力:  知力:  計略:  政治:  人望:
推定血液型不明
諡号忠侯
伝評曹操の覇権を助け、各地を転戦した猛者
主な関連人物 曹操 曹純 
関連年表 193年 淮水の戦い
194年 呂布討伐
197年 張繍征伐
200年 官渡の戦い
209年 南郡・江陵の戦い
211年 潼関の戦い
219年 樊城の戦い

略歴

曹仁、字を子孝といい、沛国の人である。曹操の従弟で、曹純の兄。子は、曹泰、曹偕、曹範がいる。

若いときから、弓術・馬術・狩猟を好んだ。後年、豪傑がいっせいに蜂起したとき、曹仁もまたひそかに若者を結集して、千人余りを味方につけ、淮水のあたりを暴れまわった。かくて曹操の配下に属し、別部司馬となった。

193年、曹操が袁術を撃破したさい、曹仁が斬り殺したり生け捕りにしたりした者はかなりの人数にのぼった。

徐州征伐を行ったときには、曹仁はいつも騎兵をひきいて、軍の先鋒となった。陶謙の大将呂由を攻撃して撃ち破り、引き返して彭城で大軍と合流し、陶謙軍をさんざんに撃ち破った。

194年、呂布を討伐したときには、曹仁は別軍として句陽を攻撃して攻め落とし、呂布の大将劉何を生け捕りにした。

196年、曹操が青州の黄巾賊を平定し、天子を迎えて許に首都を置くについて、曹仁はたびたび手柄をたてたので、広陽太守に任命された。曹操は彼の勇気と智略を評価していたから、広陽に赴任させず、議郎のまま騎兵隊を指揮させた。

197年、張繍征伐したときは、曹仁は別軍をひきいて、近接の県を攻略し、その住民男女あわせて三千人を捕虜にした。曹操の軍は帰還の途中、張繍に追撃されて、負け戦となり、兵士の意気は沮喪した。このとき、曹仁は将兵をひきいて叱咤激励し、獅子奮迅の働きをした。かくて張繍を撃ち破った。

200年、曹操が袁紹と長期間にわたって官渡で対峙していたとき、劉備が別働隊で諸県を攻撃したので、曹仁は騎兵をひきいて、劉備を攻撃し、撃破敗走せしめた。袁紹が韓荀を派遣して、道路を荒らして交通を遮断させると、曹仁は、韓荀をおおいに撃ち破った。また、曹仁は史渙らとともに、袁紹の輸送車を奪い、その食糧を焼き払った。

205年、河北が平定されて、曹操のお供をして壺関を包囲した。曹操が必殺の布告をしていたから、城は堅く守られ、何ヶ月も陥落させられなかった。曹仁は、長期戦を避けるために、生存の道を開いてあげるのが良策だと進言すると、曹操はこれに従った。すると、城は降伏した。この結果、曹仁の功績を称えて、都亭侯に封じた。

209年、荊州平定のさい、曹仁は江陵に駐屯し、呉の周瑜と当たっていた。部隊長牛金を派遣して、これを迎え撃って戦いをいどませたが、包囲されてしまった。曹仁は、勇士数十騎を率いて、牛金救助にでかけ、牛金と兵士らを救い出し、包囲網を突破して帰還した。陳矯は、「将軍はほんとうに天上世界のお方だ」と称え、全軍の兵士は心服した。曹操は感心し、安平亭侯に国がえさせた。

211年、曹操が馬超を討伐したとき、曹仁は諸将の総司令官として潼関を防御させ、渭水の南で馬超を撃ち破った。

蘇伯と田銀が謀反を起こしたときは、七軍の総司令官として田銀を討伐して、これを撃ち破ると、行征南将軍・仮節に任命され、樊に駐屯して、荊州を鎮撫させた。

219年、侯音が宛を根城に反乱を起こし、近接の県を荒らしたときは、曹仁は諸軍をひきいて攻め破り、侯音の斬り、樊に帰還した。そこで即刻、征南将軍の官位を授けられた。関羽が樊に攻撃をかけてきたとき、于禁らは、漢水の氾濫で水没し、于禁は関羽に降伏した。関羽に城を包囲され、城内の交通も遮断されたが、曹仁は将兵を激励し、必死の覚悟を示したため、将兵は感動して誰も二心を持たなかった。やがて、徐晃が救援に到着したところ、曹仁は包囲網を突破することができ、関羽は退却した。

220年、曹丕が即位すると、曹仁は車騎将軍・都督荊揚益州諸軍事・陳侯に昇進した。後に、曹仁は宛に駐屯した。

221年、孫権の大将陳邵を派遣して、襄陽にたてこもったときは、曹仁は徐晃と力を合わせて陳邵を攻め破り、襄陽に入城した。曹丕は、使者を派遣し、即刻、曹仁は大将軍、大司馬に任命された。

223年、曹仁は逝去した。享年56歳。


評価

曹仁は若い頃は乱暴者であったため、父に疎まれて家督を弟の曹純に譲られるなど不運が続いた。だが、曹操に従って武将として過去の行為を戒めて成長した後は厳格に法を遵守し、常に法と照らし合わせて信賞必罰を行なうなど、諸将の見本になったとされている。